毎年11月の第3木曜日はボジョレーヌーボーの解禁日。時差の関係で日本が世界で一番早く飲めるということでトレビなどでも取り上げられていますね。
解禁日当日はタレントなどが参加してお披露目をしている映像をテレビなどで目にしたことがあるかもしれません。
ワインにあまり詳しくない方でも、デパートやスーバーで売っているからとついついボジョレーヌーボーを買ってしまった方も少なくないと思います。
でも、ボジョレーヌーボーを買ったけれど、いったいいつまでに飲んだ方がいいのか、
わからない方も多いと思います。
今回の記事が参考になれば幸いであります。
ボジョレーヌーボーっていつまで飲めるの?
できれば年内に飲んだ方がいい
ボジョレーヌーボーを買ってみたものの、いつまでに飲んだいいのかしら?と考えてしまいますよね。結論から言えば、ボジョレーヌーボーはできれば年内に飲みきるのがいいですね。
その理由は、ボジョレーヌーボーは瓶詰された時が飲み頃で、出来立てのフレッシュさが魅力のワインだからです。
「ワインは寝かせたほうがおいしい」と言われますが、後ほど説明する通り、ボジョレーヌーボーとほかの熟成ワインとは製造方法が異なるので、ボジョレーヌーボーは作ってから半年以内、年内に飲むことをオススメします。
ボジョレーヌーボーって何?
ボジョレーヌーボーのボジョレーは、フランス・ブルゴーニュ地方の南部に広がるなだらかな丘陵地帯で、ブドウ畑は標高200~400メートルの南向き、もしくは南東向きに畑が広がっています。
ヌーボーはフランス語で「新しい」という意味です。
年に一度、夏の終わりに収穫したぶどうを、2か月くらい醸造した新酒ワインがボジョレーヌーボーです。
「今年のブドウの出来はどうなんだろう?」と確かめるための、「試飲用のお酒」として
古くから飲まれていたようです。
ボジョレーヌーボーとは、ボジョレー地区で作られたその年の新酒のことなんですね。
ぶどうの品種はガメイ種、ガメ種のものです。
ちなみに、「ボジョレー」と「ボージョレ」と両方の表記があるので、「どっちなんだろうか?」と悩んでしまいそうですが、フランス語の読み方の問題なので、どちらでもいいのです。
たとえていうならば、「ピザ」と「ピッツァ」みたいな感じですね。
ボジョレーヌーボーは赤ワインだけ
フランスにはAOC法と呼ばれるワインに関する法律があり、ボジョレーヌーボーは、
「その年にボジョレー地方で収穫された、ガメイ種のブドウ100%であること」と
義務付けられています。
ガメイ種はボジョレーの土壌に適した品種で、赤ワインを作るための品種であり(ロゼもありますが)基本的に赤ワインです。
フルーティで、渋味が少なく、さわやかな酸味が特徴です。
また、新酒のことを、『プリムール』と呼んだりもします。
ですので、白ワインでボジョレーヌーボーという名称は許されないそうです。
しかし、「白のヌーボー」というのがあります。
ブルゴーニュ地方のボジョレーではなく、同じフランス・ブルゴーニュ地方のマコン・ヴィラージュや、ロワール地方のミュスカデなどがそうですね
大手酒販店、デパートなどで、ボジョレーヌーボーと一緒に売っているところもありますので、ついつい一緒に買ってしまいそうになりますよね。
ボジョレーヌーボーってどうやって作られるの?
テレビ番組などで、ワインを作るために収穫したぶどうを人が足で踏んで潰している、という場面を目にした方もいらっしゃると思います。
ボジョレーヌーボーはブドウの収穫からおよそ2か月で製造される新酒のワインですので、マセラシオン・カルボニック法という熟成させないやり方で製造します。
基本的に収穫したぶどうの房を丸ごとタンクに入れ、どんどん詰め込んでいきます。そうすると、下の方のぶどうは重みで潰れてしまいますよね?
そして潰れたぶどうの皮などに付いている酵母の働きで自然に発酵されると、タンクの中に炭酸ガスが充満します。
するとブドウの粒の中でも、自然に発酵が起こり、アルコール、アミノ酸、コハク酸などが生成されます。そうすると、酸味が柔らかくなり、甘くフルーティな香りが生まれ、皮から色素も溶け出しやすくなります。
この状態の房を絞り、あとは発酵させる事で、長く寝かせなくとも、フレッシュでフルーティな味わいを楽しめるワインに仕上がります。これがボジョレーでつくる『ヌーボー』(新酒)です。
このように作ったワインは、タンニンが少ないわりには色が濃いのです。リンゴ酸が分解されているので、全体的に軽めのまろやかな味わいですので、新酒でも充分においしく飲めるのです。赤ワインの赤い色は、ブドウを丸ごと使うから、綺麗な赤になるんですね。
去年以前のボジョレーヌーボーがあったら
ワインは瓶詰めされた後も熟成します。
熟成させるとおいしくなるのが長期熟成タイプですが、ボジョレーヌーボーは早飲みタイプなので、瓶詰めされた時が一番飲み頃です。解禁日当日に飲むのがベストなのかもしれません。
解禁日当日、日付が変わった段階でボジョレーをたしなんでいる有名人の映像をテレビで見かけることもありますよね。好きな方は待ちきれないのでしょうね。
もし数年前のボジョレーヌーボーがあったらどうしましょう?
ちょっと考えてしまうかもしれませんが、味は変わらないと思うので飲んでみましょう!
出来立てのフレッシュさが消えて、渋さや酸味が強くて、「う~ん」と思ってしまうかもしれません。
もっと早く飲んでおくべきだった、とつぶやいてしまうかもしれませんね。
まとめ
ボジョレーヌーボーは産地とブドウの品種が限定された赤ワイン(稀にロゼ)です。
その年に取れたブドウを使って、およそ2か月で製造されたフルーティーで軽やかな口当たりのワインです。
ですので、なるべく年内に飲むことをオススメします。
私も以前いつまでに飲んだ方がいいのかわからなくて、ボジョレーヌーボーを購入した酒屋さんに聞いたことがあります。
「若いワインなので、早め、なるべく年内に飲んだ方がいいと思いますよ」と言われました。
ワイン好きな方は11月中に飲んでしまうかもしれませんが、好きなものは後に取っておく私のようなタイプの方は、後で楽しもうと、大事に押し入れやクローゼットなどにしまい込んで、その後すっかり忘れてしまったということがないように気を付けましょうね。
旬は大事ですよ。飲み頃を逃してしまうと、もったいないですからね。