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1月はなぜ「睦月」と言われるの?その秘密は?

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新年の始まりにカレンダーをめくったら、1月の横に「睦月」と書かれているのを目にしたことはありませんか?

深く気に留めていない人が多いかもしれませんが、睦月とは旧暦の1月のことです。

日本の旧暦は季節や行事を反映して名付けられており、どの暦も趣深い意味を持っています。

そこで今回は1月の別名、睦月について丁寧に解説しますので、よろしくお願いします。

「旧暦ってそもそも何?」という人にもわかりやすく説明していくので、ぜひ最後までお読みくださいね。

睦月とは?

冒頭でも簡単に説明しましたが、睦月とは日本の旧暦で1月を意味します。

 

月の満ち欠けを基準に1ヶ月をカウントする旧歴は、和風月名や月の異名と呼ばれ、その月にちなんだ名前が付けられていました。

 

日本最古の和歌集・万葉集にも登場し、とても古い歴史があった旧暦ですが、明治5年11月に政府が改暦を発表。

 

明治6年1月1日から、太陽の動きを基準に1ヶ月をカウントする、新暦に変わりました。

 

しかし、変更当時は1~12の数字を使って月を数える新暦に戸惑う人が多かったため、カレンダーには新暦と旧暦を両方掲載するようになったのです。

 

新暦と旧暦は、1ヶ月ほどずれている

市販のカレンダーでは、新暦に旧暦を当てはめるのが一般的ですが、実際の睦月は現在の1月下旬~3月上旬ごろです。

 

1ヶ月ほど日付にズレが生じる理由は、新暦と旧暦とでは基準となる考え方が異なるから。

 

しかし、日付のズレは現代においてそこまで注視されていないので、睦月=1月という認識で問題ありません。

 

どんな由来がある?睦月という言葉の意味

睦月という言葉の由来は、「むつみ合う月」という意味から睦び月(むつびつき)と呼ばれ、そのうち睦月と呼ばれるようになったという説が有力です。

 

「むつみ合う」とは、親しく接することや仲睦まじい様子のこと。

 

睦月の一大イベントであるお正月では、家族が一堂に集まり親しくすることから、睦月と呼ばれるようになったと考えられています。

 

しかし語源には諸説あり、「1年の元となる月」という意味で元月(もとつき)と呼ばれていたのが転じて睦月になったとする説もあります。

 

睦月の別名とは?

現代の1月を睦月と別名で呼ぶように、かつての睦月にも別名がありました。ここからは、そんな睦月の別名とそう呼ばれていた意味をいくつか紹介します。

 

新春(しんしゅん)

お正月に「新春初売り!」というフレーズを聞いて「1月なのに春?」と不思議に思った人もいるのではないでしょうか?

 

1月なのに春と呼ぶ理由は、現代の新暦から1ヶ月ほどズレている睦月の別名だからです。

 

旧暦だと睦月はちょうど冬から春に変わる季節だったため、当時は新しい年の春という意味で新春と呼ばれていました。

 

初空月(はつそらづき)

月を基準に暦をカウントしていた旧暦では、毎月満月の日を1日としていたため、1月1日は毎回満月でした。

 

このため、当時の人々はその年初めての月に思い入れを持ち、睦月を初空月とも呼んだそうです。

 

室町時代の歌学書である蔵玉和歌集にも、初空月に関する歌が掲載されていて、どれほど人々が月に関心を持っていたかがわかります。

 

1月1日の月は、今の初日の出のような存在だったのかもしれませんね。

 

太郎月(たろうづき)

「太」という字には、天地が開けた初めのときという意味があります。

 

この意味からかつての日本では、長男に太郎と名付ける人が非常に多くいました。また、最初の物や事を太郎~と呼ぶことも多かったそうです。

 

睦月もその年最初の月なので、このルールに従い太郎月と呼ばれていました。

 

睦月に行われる行事・イベントは?

新暦とは1ヶ月ほど日付がズレていましたが、旧暦でも1月は1年の始まりを祝う月でした。ここからは、睦月に行われていた行事についてお話します。

 

七草粥

七草粥は、セリ、ナズナなど春の七草を使ったお粥を、1月7日に食べる行事です。

 

七草粥にはその年の健康や無病息災を願うという意味のほか、お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を労わるという意味もあります。

しかし、新暦の1月7日に自生する春の七草を集めるのは少し大変かもしれません。

 

二十日正月

二十日正月は、1月20日までにお正月に関連する行事を全て終わらせておきましょうという目安の日です。

 

また、現在では1月11日に行われている鏡開きも、もともとは二十日正月に合わせて行われていました。

 

しかし、3代将軍である徳川家光の月命日と当たるため、二十日正月よりも前に日付が変更されたというエピソードがあります。

 

まとめ

旧暦の1月として、明治5年まで使われていた睦月。

そんな睦月には、「お正月に親族と仲睦まじく過ごす月」という素敵な意味があります。

 

また、睦月には新春や初空月など興味深い別名もあるので、今年のお正月にはこの記事を参考に知識を披露してみると、楽しいお会話が生まれるかもしれません。

 

睦月の意味の通り、仲睦まじく楽しい1月を過ごしてくださいね!