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「八十八夜」の意味や言い伝えは?お茶が美味しいと言われる理由も解説!

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八十八夜は、季節を表す雑節のひとつであり毎年5月初旬ごろにあります。縁起の良い日として知られており、「八十八夜に積まれたお茶を飲むと、病気にならない」という言い伝えも存在します。

 

今回は、八十八夜について詳しくご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてくださいね。よろしくお願いいたします

 

「八十八夜」とは?意味や言い伝えをご紹介!

八十八夜は、季節の移り変わりを示す雑節のひとつです。まずは、八十八夜に関する基本の情報を解説します。

 

八十八夜の意味

八十八夜は、立春から88日目を指します。立春や立秋など「二十四節気」を補う「雑節」のひとつで、節分や彼岸、入梅なども八十八夜と同じく雑節です。

 

八十八夜の日付は毎年変わりますが、5月2日から大きく前後することはありません。ちなみに、2020年と2021年は5月1日、2022年と2023年は5月2日が八十八夜です。

 

なお、5月6日頃には立夏を迎えます。そのため、暦の上では、八十八夜はまもなく夏を迎えるタイミングです。

 

八十八日ではなく八十八夜なのはなぜ?

八十八夜は、立春から88日目を表す言葉であり、夜には関係ありません。では、八十八日ではなく、八十八夜というのはどうしてなのでしょうか。

 

八十八夜と呼ばれるようになったことには、暦が関係していると言われています。現在使われている新暦は、太陽の周りを地球が1周する日数を基準にした太陽暦です。

 

一方、昔の日本では月の満ち欠けをベースにした太陰暦が用いられていました。暦の基準が夜に出る月であったため、八十八日ではなく八十八夜になったと考えられています。

 

八十八夜が農業に使われたのはなぜ?

古くから八十八夜は、農家さんにとって稲の種まきをしたり、夏の作業の準備をしたりする目安として使われてきました。これにも、暦が関係していると言われています。

 

日本で長い間使われていた旧暦は、季節とずれやすく農業の目安にするには不便でした。気温が上がったと思って種まきなどの作業を行うと、急に気温が下がり、遅霜が下りることも少なくありませんでした。

 

農作物は育ち始めに霜の影響を受けると、スムーズに生長しなかったり、枯れたりすることが多いので、農家さんにとって作業を始める時季はとても大切です。遅霜による大きなダメージを避けるために目安として使われたのが、雑節のひとつである八十八夜です。

 

八十八夜は、新暦か旧暦かに関わらず、毎年ほぼ一定の時季にあります。そのため、旧暦が使われている頃も毎年安定して季節を把握できました。

 

また、八十八夜のころに降りる霜は「八十八夜の別れ霜」「八十八夜の忘れ霜」と呼ばれていて、この後には霜が降りないと言われています。八十八夜を境に暖かくなり、天気が安定することが多いので、本格的に作業を始める農家さんが増えました。

 

さらに、八十八を合わせると「米」になることや、八十八の形が末広がりで縁起が良いことも、農作業の開始の目安に八十八夜が使われるようになった理由のひとつです。一年の豊作を願って縁起を担ぎ、八十八夜に夏の準備をスタートさせました。

 

八十八夜に摘み取られたお茶が美味しいのはどうして?

八十八夜と聞くと、「夏も近づく八十八夜」という歌詞から始まる文部省唱歌『茶摘』を思い出す人も多いでしょう。この歌がきっかけで、八十八夜は茶摘みをする季節というイメージが定着しました。

 

実際、八十八夜のある5月2日頃は関西あたりで茶摘みが行われる時期です。そして、八十八夜に摘み取られたお茶は美味しいと言われています。

日本茶の葉は、1年で3~5回収穫可能です。このうち、八十八夜前後に摘み取られたものが新茶(一番茶)、新茶の時季から約50日後に摘み取られたものが二番茶と呼ばれています。また、地域によっては、三番茶や秋冬茶を収穫できることもあります。

 

新茶には、甘みと旨味に関わるテアニンという成分が二番茶以降のお茶の約3倍含まれていると言われています。一方、苦み成分のカフェインや渋み成分のカテキンは、他と比べて少ないです。

 

そのため、新茶は旨味と苦み、渋みのバランスが良く美味しいです。

 

八十八夜に関係する言い伝えとは?

昔から「八十八夜に新茶を飲むと一年間無病息災」「八十八夜に摘まれたお茶を飲めば、長生きできる」という言い伝えがあります。

 

お茶は、寒い冬の間にたっぷりと栄養を蓄えて、春に新芽を出し始めます。そのため、いち早く芽を出した茶葉は、他と比べて栄養価が高いです。このことから、八十八夜頃に摘まれた新茶を飲むと、健康になると考えられています。

 

八十八夜に飲むお茶の淹れ方や食べ物は?

桃の節句にはひなあられ、端午の節句には柏餅など、日本から古く伝わる行事には、その日に口にすると良いと考えられているものがあります。では、八十八夜にも、食べたり飲んだりしたら良いものはあるのでしょうか。

 

ここからは、八十八夜に飲む新茶や食べると良いと考えられているものについてご説明します。

 

八十八夜に飲む新茶の美味しい淹れ方

八十八夜には、新茶を飲むと縁起が良いと考えられています。ここでは、新茶の美味しさを存分に味わえるお茶の淹れ方をご紹介します。

 

 

茶葉を急須に入れる

茶葉は一人当たり3~4g程度用意しましょう。茶匙では1杯、ティースプーンでは軽く2杯が目安です。他の煎茶と比べて少しだけ多めに茶葉を使うと、新茶の深い味わいを堪能できて贅沢な気分を味わえます。

 

お湯を注ぐ

茶葉の上からお湯を注ぎます。沸騰したての熱湯ではなく、少し冷ました70~80℃程度のお湯を使うのがお茶を美味しく飲むためのポイントです。

 

蒸らす

お湯を注いだら、急須の蓋を閉めて1分程度蒸らします。放置しすぎると渋くなるので、注意してください。

 

湯呑に注ぐ

お茶を湯呑に注ぎます。最後の一滴は「ゴールデンドロップ」と呼ばれており、旨味が凝縮されていて美味しいと言われているので、しっかりと注ぎましょう。

 

八十八夜の行事食は?

節分にはいわしや恵方巻を食べるように、古くから行われている行事には、その日ならではの食べ物があります。しかし、八十八夜に食べると良いと考えられているものは、特にありません。

 

新茶を飲むことは縁起が良いと言われているので、お茶と相性の良い和食や和菓子を食べて日本の良さを味わってみると良いでしょう。

 

まとめ

八十八夜は、春から夏への移り変わりを表す雑節のひとつです。茶摘みが行われる時期で、昔から八十八夜に飲むお茶は美味しく、縁起が良いと言われています。八十八夜に新茶を味わって、自分や家族の健康を祈ってみてはいかがでしょうか。