「親の七光り」は、二世タレントをはじめ、社会的地位がある親を持つ人に対して言われる言葉です。親の七光りで地位を確立した人を見ると、羨ましく感じる人も多いかもしれません。
今回は、「親の七光り」という言葉について徹底解説!意味や語源、使い方などを詳しくご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてください。
「親の七光り」とは?意味や語源をご紹介!
政治家や有名人、実業家などの子供を指す言葉として使われているのが「親の七光り」。何気なく使っていても、詳しい意味や語源などを知らない人は多いかもしれません。まずは、「親の七光り」という言葉について詳しく見ていきます。
親の七光りの意味
親の七光りは、正式には「親の光は七光り」と言います。ただし、現在では「親の七光り」や「七光り」と略されることがほとんどです。
親の七光りの意味は、社会的地位や権力を持つ親の子供が親の力を利用して恩恵を受けること。多くの場合、「本人の実力ではない」という意味が含まれていて、マイナスなイメージがあります。
また、「親の光は七とこ照らす」ということわざも、親の七光りと同じ意味で使われます。
親の七光りと世襲の違いは?
親の七光りとよく混同される言葉の一つが「世襲」です。では、これらの言葉にはどのような違いがあるのでしょうか。
世襲は、家の財産や職業、地位などを子孫が受け継いでいくこと。例えば、政治家の親を持つ人が政治家になったり、歌舞伎役者の家系に生まれた人が歌舞伎役者になったりすることを意味します。
一方、親の七光りには、政治家の子供が芸能人になったり、俳優の親を持つ人がミュージシャンになったりするなど、親と違うジャンルで恩恵を受けることも含まれます。
親の七光りの語源は?
親の七光りは、親の威光があまりにも大きく、子供にも影響が及ぶことを指します。どこにいても親の威光が届くことが語源になり、「親の七光り」という言葉が生まれたようです。
実力で社会的地位を確立した芸能人などには、自ら輝いていることを表す「スター」という言葉が使われます。一方、「親の七光り」と言われる人には、親の威光のおかげで輝けていている人という印象を持つ人も多いでしょう。
親の七光りの使い方は?悪口なの?
親の七光りという言葉はどのように使うのでしょうか。具体的な例文をご紹介します。
・あの芸能人は親の七光りだ。しかしチャンスを生かして自分の才能をアピールした。
・あの人は七光ね。自分では何もできない。
・彼の父は有名企業の社長らしい。彼が成功したことに嫉妬している人はみんな「親の光は七光り」と言っているよ。
このように、親の七光りはほとんどの場合、悪口として使われます。ただし、「私なんて親の七光りですから」などと謙遜したり、自分を卑下したりするために親の七光りという言葉を使う人もまれにいます。
親の七光りの類語や対義語は?
親の七光りという言葉の類語や対義語は次の通りです。
親の七光りの類義語
・親の厚みは子にかかる:親の名誉は子供にまで影響を及ぼす
・親のおかげ
親の七光りの対義語
・親の因果が子に報う:親の罪が子供に悪い結果として帰ってくる
・親の罪子に報う:親の犯した罪の影響で罪のない子供が苦しむ
・親の罰は子に当たる:親が犯した罪の罰を逃れたら子供が罰を受けることになる
親の七光りの対義語は、親の悪行のせいで子供が苦しむことを意味します。
親の七光りは英語で何と言う?語源もチェック!
親の七光りという意味を持つ英語は、「parent’s coat tails」。直訳すると「親のコートの裾」という意味です。
このことから、親のコートの裾持ちをしていたり、親のコートに隠れて守ってもらっていたりする人の様子を思い浮かべる人もいるでしょう。親の七光りという言葉は、日本語と同じく英語でもあまり良い印象がありません。
ちなみに、parent’s coat tailsは、親のコートの裾に乗っていれば、どこにでも連れて行ってもらえることが語源です。
親の七光りの「七」の由来は?
親の七光りは、社会的地位などを持つ人の大きな威光が子供に影響を与えること。では、どうして「七」という数字が使われているのでしょうか。親の七光りに「七」という数字が使われるようになった理由をチェックしてみましょう。
「七」は大きな数を意味する数字
七光りが大きな威光を意味するなら、「親の威光から受けられる恩恵には七つの種類があるの?」と思う人は少なくないでしょう。また、「単純に親の光と言えばいいのではないか」「他の数字ではいけないのか」などと疑問を持つ人もいるかもしれません。
なぜ、親の七光りという言葉に七が使われているのかというと、七は大きな数を意味しているからです。例えば、七難や七変化、七曲がりなどにも、大きな数を意味する数字として七が使われています。
このことからも、親の七光りは、とてつもなく大きな光であることがわかります。
「七」はあらゆる方向からの恩恵を表す
親の七光りに使われている七は、方角を表しているという意見もあります。方角は、大きく東・西・南・北・南東・南西・北東・北西の八つに分けられます。
このうち、一つが子供のいる場所を表していて、残り七つの方角から恩恵を受けられるという意味で、「親の七光り」という言葉が生まれたと言われているのです。
子供が東に立った場合、西・南・北・南東・南西・北東・北西のすべてに親の光が届くのは、ありがたくありながら、プレッシャーも感じるでしょう。
仏教の教えが由来しているという説も!
「親の光は七とこ照らす」は、親の七光りと同じ意味を持つことわざ。七とこの「とこ」は場所や所を表す言葉ですが、仏教の教えが関係して七とこになったという意見もあります。
仏教では、人間が輪廻転生する六道と呼ばれる六つの世界と六道から解脱すると行くことができる仏界があります。
七とこは、六道と仏界の七つの世界を意味していて、子供がどこにいても親の恩恵を受けられる様子から「親の光は七とこ照らす」ということわざができたと考えられています。
まとめ
親の七光りの語源は、社会的地位を持つ親のとてつもなく大きい威光が子供に影響を及ぼすこと。地位のある親の子供を妬む人が悪い意味を込めて口にすることが多いです。
しかし、親の威光を生かすのも無駄にするのも自分次第。また、親に社会的地位がなくても成功を収める人は少なくありません。置かれた環境を受け入れて、自分なりに努力し、幸せを掴みましょう。