節分と言えば威勢のよい掛け声と共に豆を投げることもそうですが、恵方巻を食べることも忘れてはいけません。
節分には欠かせない、恵方巻ですが意外といつから始まったものなのかと聞かれると答えに困ってしまいます。
今回は、そんな「恵方巻の起源や方角の決め方」についてご紹介いたしますのでよろしくお願いします。
意外と知らない⁉︎恵方巻の起源とは?
まずは、恵方巻の起源についてご紹介します。
恵方巻の起源①花街発祥説
江戸時代から明治時代の頃、大阪の花街で節分や商売繁盛を祝って始めたという説がありました。
当時、花街通いの殿方が女性たちに太巻き寿司を丸かじりさせ、それを見て楽しんでいました。
ある年の節分が近くなったころ、すし屋の大将が花街通いをするお客からそんな話を聞き「ではうちの店でもやってみよう!」と節分に合わせて太巻き寿司を売始め、世の中に広まったとされています。
なんとも不埒な理由ですが、この時はまだ「恵方巻」とは呼ばれておらず、そのまま「太巻き寿司」や「丸かぶり(丸かじり)寿司」と呼ばれていました。
恵方巻の起源②コンビニ発祥説
そもそも、地域によって呼び方は違いますが、太巻きのお寿司は一年を通して口にすることができます。
ですが、節分の時だけは「恵方巻」と呼ばれ、売り上げを伸ばしているのは企業の印象操作があったためです。
広島出身の方はご存じかもしれませんが、節分に太巻き寿司を食べる習慣がもともとありました。
その習慣を「おもしろい!」として昭和58年にファミリーマートが節分にあわせて売り出したのですが、この時はあまり売れ行きは伸びませんでした。
しかしそれから6年後の平成元年に、今度はセブンイレブンが「恵方巻」という名前で売り出します。
この際は、もともと節分に太巻き寿司を食べる習慣のあった広島近辺でのみの販売でしたが、売れ行きが好調だったため、翌年からは全国で販売されることとなりました。
こうして「恵方巻」という言葉とともに、節分に太巻き寿司を食べるという習慣が、全国的に広まっていったのです。
恵方巻を食べる方角はどうやって決めるの?
そもそも恵方巻といえば、決められた方角を向いて太巻き寿司を一本丸ごとしゃべらずに食べきればその年は幸運になれるというものです。
その方角が「毎年違って覚えるのが大変」と思っている方、じつは4通りしかありません。
いったいどのように決められているのでしょうか。
恵方巻を食べる方角の決め方とは!?
恵方巻を食べる方角は、歳徳神がいる方角で幸運を呼ぶ方角とされています。
「恵を呼び込み方角」という事で「恵方」なのかもしれませんね。
この方角は、干支で決まるかと思いきや、じつは十干で決められています。
十干とは「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」の10通りです。
なぜ10通りかというと、西暦の下一桁、つまりは「0~9」に割り当てられています。
甲⇒4 | 乙⇒5 | 丙⇒6 | 丁⇒7 | 戊⇒8 |
己⇒9 | 庚⇒0 | 辛⇒1 | 壬⇒2 | 癸⇒3 |
今年2021年は下一桁が1なので「辛」の方角ですね。
「毎年違う方角を10通りも覚えるのは大変!」と思うかもしれませんが、じつは恵方は4通りしかなかったのです。
4つくらいなら、あなたも覚えられるのではないでしょうか。
恵方巻を食べる方角は4つしかない!?
毎年恵方巻コーナーでは「今年の恵方は○○○です!」というのを見かけますが、本当に4つしかないんです。
東北東 | 甲(4)、己(9) |
西南西 | 乙(5)、庚(0) |
南南東 | 丙(6) 、戊(8)、辛(1)、癸(2) |
北北西 | 丁(7)、癸(3) |
以上の4通りしかないので、覚えようと思えば覚えられそうですよね。
ちなみに、今年は辛なので「南南東」の方角です。
時代とともに変わりつつある恵方巻習慣
恵方巻は、売っているお店によって具材がまったく違います。
幸運を運ぶとされる七福神にたとえ、7種類の具材が入っているのが大通ですが、最近では種類を減らしたり増やしたりして「〇種の恵方巻」なども出ています。
また、販売する店もスーパーやコンビニ、お寿司屋さんだけでなくお弁当屋さんでも売り出されていますね。
ほかにも、巻物の仲間でロールケーキを恵方巻の代わりに売り出しているケーキ屋さんもあり「太くて巻いてあるならなんでもOK!」という風になりつつあります。
最近は手作りする方もいらっしゃいますよね。
私が小さいころは「絶対にしゃべっちゃだめだよ!?」と親に言われ無心で太巻き寿司をまるまる一本食べたこともありました。
しかし、現代では太巻きでも細巻きでも関係なく、小さいお子さんのために短い巻き寿司でも関係ありませんし、なんならじじばばが孫が食べているのに変顔で笑わせてくるのです。
あの頃の無心でかぶりついていた私からすると、ちょっとさみしいような、でも時代とともに変わった新しい恵方巻の形なのかなとも思えました。
まとめ
2021年の節分は、2月2日です。
節分が2月3日でないのは、なんと124年ぶりのことなんですよ。
いろんな意味でいつもとは違う節分となりますが、昔ながらの「恵方に向かって願い事をしながら無言で一本丸かじり」してみてはいかがでしょうか。
ただし、食べている間はおしゃべりしては行けないので注意してくださいね。
これからの1年が無病息災で過ごせることを願いつつ、恵方巻をほおばりましょうね。