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虹は七色で構成されているけど世界の常識は七色ではない?

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「虹の色の種類って何種類に見える?」と聞かれたら、あなたは何種類と答えますか?

多くの人は「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7種類、7色と答えるのではないでしょうか。

 

しかしこの虹の色の数、なんと世界共通ではないのです。

8色だと考えている国や、2色だと考えている国もあるのです。

勿論日本と同じように、7色という認識の国もあります。

 

実際、虹には明確な色の境界線はなく、非常に曖昧です。

何色が正解なのかというのは、実は決まっていないのです。

 

今回は「虹の色は七色ではない?」についてご紹介します。よろしくお願いします。

 

「虹は七色」と決めたのはニュートン。

ではなぜ日本にいる多くの人は、虹を七色と認識しているのでしょうか。

それは「万有引力の法則」で有名なニュートンが、そう定義したからなのです。

彼は物理学の他に、数学・天文学・光についての研究も精力的に行っていました。

 

きっかけは、ニュートンがプリズムに太陽の光を当てる実験をしていた時の事です。

太陽光がプリズムの中で屈折し、連続した虹色の帯が現れました。

この虹色の帯に、ニュートンは着目しました。

 

「太陽の白い光は、様々な波長の色が混ざり合ったもの」と気付いた彼は、

そこから「光の色の違いで屈折する角度も異なる」という結論を導き出しました。

光の分散はこうして発見されたのです。

ニュートンはこの連続した虹色の帯を「スペクトル」と名付けました。

 

そして「スペクトルとして見えた七色の順番で波長が短くなる」ことから、

ニュートンは「スペクトルの幅が音楽の音階の高さに対応している」と考えました。

 

これは彼が、音楽理論にも深い興味を持っていた事、

また当時ヨーロッパでは、音楽と自然現象を結び付ける風潮があった事から、

スペクトルの幅を音楽の音階に見立てて、7色としたのでした。

 

彼がこの研究を発表するまで、虹は青、緑、赤の3色。

もしくは紫、青、緑、黄、赤の5色であると考えられていました。

ニュートンは5色説に新たに藍、橙の中間色を入れ7色、としました。

 

時を経て江戸時代の日本にも、オランダから物理学の本が伝来します。

日本で最初の物理科学書と言われる「気海観瀾」です。

この本の中で「虹は7色」と紹介されました。

それ以来日本では、虹の色は7色と考えるようになったのです。

 

言葉と文化の違いで色の捉え方は大きく変わる。

日本では虹の色は7色ですが、アメリカでは「赤橙黄緑青紫」の6色、ドイツでは「赤橙黄緑青」の5色、台湾(ブヌン族)では「赤黄紫」の3色です。

これは色を表現する言葉が異なるからなんですね。

 

これは虹だけに限らず、太陽の色も国によって違います。

日本では赤ですが、ヨーロッパでは黄色や白です。

昔の日本では色の表現が「黒・白・赤・青」の4色しかなかったことから、

真っ赤な日の出の色をそのまま当てはめたのだと考えられています。

 また、歴史的に色へのイメージもあります。キリストを裏切ったユダは黄色の服を着ていて、黄色は裏切りを表すとされています。その一方、中国では「黄色は皇帝の色」とされ清朝最後の皇帝溥儀は身の回りのものすべてが黄色であったと「わが半生」に記しています。

  

まとめ

日本人の多くは「虹は七色」と教わってきました。しかし世界に目を向けると文化や歴史の違いによって色への認識が異なってきます。

 

色の認識が言語や文化から成り立っているのはとても興味深く、奥深さを感じます。