色とりどりのポピーやひなげしは、春の訪れを告げる花。繊細に咲く様子が美しく、多くの人を魅了しています。
そんなポピーとひなげしの違いはご存知ですか?今回はポピーとひなげしの特徴や違いについて詳しく解説します。ぜひ最後まで読んで、花の観賞をいっそう楽しんでくださいね。よろしくお願いします。
ポピーやひなげしはどんな花?違いもご紹介!
ポピーとひなげしは、どちらも春に咲く色とりどりの花というイメージがあります。では、どんな違いがあるのでしょうか。
ポピーとは?
ポピーは、赤や白、黄色、オレンジなどの花を咲かせる植物です。華やかで明るい雰囲気の一方、花びらは薄く繊細でどこか女性らしさを感じられる見た目で人気を集めています。
日本では多くのポピーが植えられており、春や初夏にはメディアでポピーが咲き誇る公園が紹介されることも多いです。
ひなげしとは?
ひなげしは古くから愛されてきた一年草の植物です。開花前は下を向いていますが、開花期になるとまっすぐ立ち上がり、細い茎の上に美しい花を咲かせます。
花びらのカラーは様々で、薄い花びらには和紙のようなシワがあるのが特徴です。風が吹くと花びらが揺れ、趣深い見た目で人々を魅了しています。
開花の時期は地域によって差があるものの、おおよそ4月ごろから7月ごろです。咲き始めてから散るまでの期間が短く切り花としてはあまり出回りませんが、日本全国にあるひなげし畑で美しい花を見られます。また、生育が早く比較的育てやすいため、自宅で種から栽培して観賞を楽しむ人も多いです。
ひなげしの別名
ひなげしの別名のひとつが、虞美人草(ぐびじんそう)。虞美人草は、古代中国の武将・項羽の妻に関係する話から名付けられました。敵の漢に包囲された際、項羽の妻である虞姫は夫の足手まといにならないように自害を選びます。虞姫が亡くなった際に近くに咲いていた花や、翌年お墓の周りに咲いた花がひなげしとされています。
また、ひなげしは英語の「シャーレーポピー」やフランス語の「コクリコ」という名前で呼ばれることもあります。
ポピーとひなげしの違いって?
ポピーとひなげしはどちらも繊細な花びらや茎が印象的な花ですが、ポピーはケシ科植物の総称である一方、ひなげしはケシ科植物のうちひとつの品種です。つまり、ポピーにはひなげしが含まれています。
ただし、ポピーと言われる花はひなげしだけではありません。他にポピーと呼ばれる花としては、開花が早く草丈が低めのアイスランドポピーや大きめの花を咲かせるオリエンタルポピーなどが挙げられます。
ひなげしと似ているケシって?
ひなげしと間違われやすい植物が、アツミゲシやハカマオニゲシです。これらもひなげしと同じケシ科の植物なので、ポピーの一つと言えます。
(アツミゲシ)
アツミゲシやハカマオニゲシの特徴は、麻薬の原料になることです。未熟な果実から採取された乳液をもとにアヘンが作られ、さらにそれからヘロインやモルヒネが製造されます。
ひなげしと似てるけど気を付けたいケシの見分け方
ひなげしと麻薬の成分にもなるアツミゲシやハカマオニゲシには、次のような違いがあります。
・アツミゲシやハカマオニゲシはひなげしより草丈が高い
・アツミゲシやハカマオニゲシはひなげしと比べて葉が平たく太い
・ひなげしは葉に深い切り込みがある一方、ケシは茎を包み込むように葉が付いている
アツミゲシやハカマオニゲシは、どちらも日本で栽培が禁止されているうえ、危険なイメージがあります。そのため、麻薬の材料になるケシと似たひなげしを処分してしまう人もいるでしょう。しかし現在日本で売られているものは、安全なひなげしです。
間違って処分しないように、草丈や葉を確認してみてくださいね。
ポピーやひなげしの花言葉は?
花を育てたり、買ったりするときには花言葉が気になります。ポピーやひなげしにはどんな花言葉があるのでしょうか。
ポピーの花言葉
ポピーには「慰め」「労り」「思いやり」といった花言葉があります。ケシの実から採取される乳液に入眠や麻痺の働きがあるため、「ゆっくりしてほしい」という花言葉が付いたと言われています。
また、ポピーは「恋の予感」や「陽気で優しい」も意味します。大切な人には、相手への想いを込めてポピーを贈ると喜ばれるでしょう。
ひなげしの花言葉
ひなげしの花言葉は、ポピーと同じく「慰め」「労り」「思いやり」です。また、色によっても花言葉があり、赤は「慰め」や「感謝」、白は「忘却」や「眠り」、青は「底知れぬ魅力」や「憩い」を意味します。誰かにひなげしをプレゼントする際は、気持ちに合ったものを選んでください。
まとめ
ポピーとひなげしは混同されることが多いですが、ポピーはケシ科の植物全体、ポピーはケシ科の植物の一つの品種を表しています。ひなげしをはじめとしたポピーは、どちらも春ごろから見ごろを迎え、細い茎の上に繊細で色とりどりの美しい花を咲かせます。
日本各地に多くの名所があるため、暖かくなり始めたら、ポピーやひなげしの花を見に行ってみてはいかがでしょうか。