結婚式の引き出物や日取り、病院のお見舞いには鉢植えはダメなど、縁起がいい、悪いなどの言葉を耳にしたことがあると思います。
いったい「縁起」ってなんでしょうか?普段何気なく「縁起がいい」「縁起が悪い」といったりしていますが、「縁起」ってなんなのでしょうか?
「縁起」とはもともと仏教で、「因縁によってあらゆるものが生ずる(起きる)こと。」という意味の言葉で、因縁生起(いんねんしょうき)の略です。
「この世のあらゆる物事には必ず原因と結果がある。」原因があるからすべての現象は存在する。その存在が原因となって次の結果がもたらされる。
よい結果は、よい行いが生み出すものであり、悪い結果は、悪い行いが原因であると考えられています。現在では物事の吉凶を表現する言葉などとして使われますが、本来はそういう意味ではなかったのですね。
古来から、五穀豊穣、大漁追福、商売繁盛、家内安全、無病息災、子孫繁栄、招福祈願、厄除祈念、安寧長寿、夫婦円満など、いいことがありますように、と祝い祈るための品物が縁起物と言われるようになりました。だるま、招き猫、お札、お守り、絵馬などがそうですね。
他にも、祭礼や社寺の参詣者に授与・販売する歴史的、文化的なものや日本古来より伝わる祭や福男・なまはげなどの演者、力士など神の依り代になった人も縁起物とされます。
縁起物と言われる中でも、動物は実はとても多いのです。その中でも代表的な動物をご紹介いたしますので、よろしくお願いいたします。
縁起物 動物の一覧
うさぎ
見た目がとてもかわいくて、愛くるしいのですが、実はうさぎは一度に10匹以上も出産することもあります。また、繁殖力も強いので、子孫繁栄をもたらしてくれると考えられています。
またうさぎは、昔から月に住んでいると言われ、そこからうさぎは、ツキを(月)を呼ぶ縁起の良い動物と言われています。月は、金貨のように丸く輝いています。その月を呼んでくれるうさぎは、お金を呼んでくれるという訳です。月そのものが縁起がいいという考え方です。「月=ツキ=運」から、うさぎは金運向上につながります。
また、うさぎは後ろに下がらず前にしか進めません。前進することこそ金運向上なのです。そしてうさぎは、縁結びの象徴でもありますので良縁にも恵まれると言われています。
ねこ(招き猫)
宝くじ売り場では必ずといっていいほど招き猫の置物がありますね。招き猫は金運向上に欠かせません。
猫は米などを食い荒らす、ネズミを捕ってくれるから、人間の心を読み取る能力があり人間が願い事をすると叶えてくれるからなど、諸説ありますが、金運向上の縁起物とされています。
招き猫の上げている手によって、右手はお金と福を招き、左は人と福を招くと言われています。招き猫の置物を購入する際には、上げている手を間違えないようにしましょうね。
トンボ
残暑厳しい夏の日に、赤とんぼを見かけると「あ、季節が変わるのね。秋も近いのね」と感じることがあります。
トンボは、害虫を取り除く貴重な益虫として、五穀豊穣(ごこくほうじょう)の象徴とされてきました。
行動も前にしか進めず退かないことから、不退転の象徴として戦国武将から「勝虫(かちむし)」と呼ばれ、縁起の良い虫としてもてはやされました。
「勝ち虫」と呼ばれるとんぼが、金運アップの縁起物として好まれるのは、加賀百万石を一代で築き上げた男である前田利家が愛したのが「とんぼ」だったからでした。
「加賀百万石」と言われますが、加賀国、能登国、越中国のほとんど全てを治めて、日本の全藩の中でも最高の位置にあるだけでなく、関ヶ原の戦いで百二十万石にまで登り詰めたそうですから金運もさることながら、ほかにもものすごく強いパワーを持っていたのですね。
金魚
動物なのかちょっと疑問ですが、金魚は金運向上の縁起物と言われています。
金魚は鯉が突然変異し誕生したといわれていて、昔は高価でお金持ちでないと買うことが出来なかった高級魚だったようです。
中国語の「金余(お金が余ること)」と金魚は同じ「チンユイ」と発音されることから、縁起が良いとされているそうです。
すずめ
すずめは日本各地に生息し、昔話や俳句などにも登場したりしてとても身近な存在ですよね。すずめは昔から鳳凰のひなと言われています。鳳凰は人を見定めて、善い人だけを祝福すると言います。(鳳凰は中国神話の伝説の鳥で、金閣寺の屋上に像がついています。)
春から夏には稲についた害虫を食べてくれるなど、厄をついばんでくれるとされ、一族繁栄・家内安全の象徴とされています。
「寿徳」「福徳」「財徳」が備わるといわれ縁起のよいものとされています。
また、冬のすずめは、全身の羽根毛に空気を入れてふくらませているので、丸く太って見えてとてもかわいらしい姿です。このふくらんだ姿のすずめを「ふくらすずめ」と呼び、「福良雀」「福来雀」と書き、福を呼び、運をよくする縁起の良いものとされています。
ふくろう
ハリーポッターでのハリーが飼っている白いフクロウはとてもきれいで印象的でした。最近は丸くて大きな目のフクロウが人気でフクロウカフェも人気とか。
日本では古くはアイヌ神謡集という文献に登場していたりするふくろうが、幸運の鳥と言われるのは、ふくろうは、夜行性で夜目がきくことで「見通しが明るい」ことの象徴であったり、首が非常に曲がる事から借金で首が回らないということがない、という開運・招福・金運の象徴と言われているところからきているようです。
ふくろうも、福来郎=福が来るや、不苦労=苦労しないなどの縁起の良い当て字があてられ「福が来る」「苦労がない」などを願った縁起物として知られています。
かえる
最近はあまりその姿を見かけることが少なくなってきたかえる。昔はよく雨の日に「ゲロゲロ」鳴いていました。
カエルは卵をたくさん産むところから「子孫繁栄」、語呂合わせで「無事カエル」「福カエル」など、「かえる=帰る」と、とらえられていて、お金が帰る、無事に帰る、若返る、などとその時の自分の状況に置き換えてとらえられていますね。
またカエルは前にしか跳ぶことができないので、「不退転」の意味が込められていて、「何があっても挫けず、屈することなく突き進むという信念を持つ」という意味があります。
「神の使い」ともいわれているかえるは、幸運を運んでくる存在だそうです。
以前はよく道路に飛び出てきて、「うわっ」とびっくりしていたのですが、最近はそういうことも少なくなってちょっと寂しい気がします。かえるが住める自然環境が少なくなってきたのでしょうか。
へび(白蛇)
蛇はその姿かたちからか、あまり好む人は少ないようですが、白蛇は、七福神の一人、弁財天の使者として、富を呼ぶと信じられています。
昔から、脱皮した皮を、お財布の中に入れておくと、金運が向上するというおまじないもありますね。
また、他の生き物に比べて、ヘビは長期間餌を食べなくても生きて行ける生命力を持っていることから、精力や生命力の象徴でもあります。そういえば、マムシドリンクとかありますよね。元気が出そうですね。
そして、ヘビは脱皮をするたびに表面の傷を治していくので、医療、治療、再生のシンボルともされているそうです。日本の救急車にヘビのマークが付いているってご存知でしょうか?
その見た目から、出没すると「キャー」と叫ばれることが多い蛇ですが、実はとても縁起のいい動物なのですね。でも正直私は苦手です。
まとめ
縁起物の動物、いかがだったでしょうか?
このほかにも本当にたくさんの動物や魚が縁起の良いものとされていて、「こんなにたくさんあるの?」と驚きました。
ことわざや中国からの言い伝えなどで、いろいろな縁起物が日本にはたくさんあります。自分の希望に沿った縁起物を見つけて置物や人形などを飾ってみてもいいかもしれませんね。