最近は家庭菜園で野菜作りをする方が多くなってきています。野菜作りを始めた理由が、「農薬を使わない、新鮮で安全な野菜を食べたいから」という方が多いのもちょっと驚きです。自分で育てた野菜なら、安心ですよね。
家庭菜園を借りなくても、自宅のベランダで野菜作りは可能です。野菜を作る場所はプランターでなくても、発泡スチロールで十分可能です。
スーパーや通販で購入した空き箱など、利用できるものを使って、野菜作りを始めてみませんか?今回はベランダで発泡スチロールを使って野菜作りをするために必要なことを紹介していきます。よろしくお願いいたします。
ベランダならプランターの代わりに発砲スチロールではいかが?
野菜作りを始めるにあたって、初期費用はかかります。野菜の種、苗、シャベル、園芸用はさみ、土、腐葉土、たい肥、プランターなどです。細長い発泡スチロールの箱でプランターの代用ができますので、節約可能です。それにプランターよりも発泡スチロールの方が、土中の温度を保ち根を傷めないという利点もあります。
プランター代わりに発泡スチロールを使う準備として、発泡スチロールの箱の底面に排水用の穴をドライバーなどで開けましょう。野菜作りになれていないうちは、水をやりすぎるので土の中に空気が不足して根がうまく伸びずに失敗することが多いからです。
宅配の荷物が入っていた発泡スチロールがあればいいのですが、ない場合には近所のスーパーにお願いしてわけてもらいましょう。
初心者にオススメの野菜
ベランダで家庭菜園を始めたいという初心者さんにオススメのお野菜を紹介します。
初心者はミニトマトがオススメ
野菜作りを始めたい方が最初に思い浮かぶのがミニトマトではないでしょうか。それほどミニトマトをベランダで栽培する方は多いです。最近は家庭菜園用に育てやすく改良された品種も多くなっているのも初心者さんにとっては嬉しいですね。
ミニトマトは、横に張る根と下に深く伸びる根があるので、使用する発泡スチロールは、高さ、幅、奥行き共に30cm以上の、大きめのものにしましょう。初心者さんは種からだとハードルが高いので、苗を5月上旬から遅くても6月上旬くらいまでに植えつけましょう。
トマトは実が付く前に肥料をやると、葉や茎に養分が偏り、実が付きにくくなります。最初の花に実が付いて大きくなってきたら、化成肥料か液体肥料を与えます。
その後は化成肥料なら3週間おき、液体肥料なら1~2週間おきに定期的に与えます。
最初の開花から50日ほどで実が収穫できます。8月末くらいまでは収穫を楽しむことができますが、良い土を使い、きちんと肥料やりができていれば、秋や初冬まで収穫を楽しめることもあります。
オクラは暑さに強い夏の野菜
オクラは夏の暑さにも強い野菜です。大きめの発泡スチロールで初心者さんは苗から育てるのがオススメです。オクラは風通しのいい環境を好みますが、室外機の熱風が当たらないところに発泡スチロールを置き、遅くても6月ころまでに苗を植えましょう。
また、肥料切れになりやすいので2週間に1回くらい液体肥料をあげることも必要です。背が高くなると倒れやすくなるので、草丈が約1mになってきたら、支柱をたてるようにしましょう。開花してから1週間から10日くらいで収穫できます。収穫最盛期には水分を多く必要とするため、土が乾燥しないように定期的に水やりを行いましょう。
冷蔵庫にオクラを入れておくと、真っ黒になってしまうように、オクラは鮮度が命です。
収穫しそびれると硬くなってしまうので、やわらかいうちに早めに収穫するようにしましょう。
リーフレタスは意外と育てやすい
レタスには、丸い玉になる「玉レタス」と、玉にならない「リーフレタス」があります。
リーフレタスの方が、より育て方が簡単で、小さめの発泡スチロールからでも栽培可能です。
涼しい気候を好み、春と秋の2回育てられるレタスですが、意外なことに寒さは苦手なのです。特に冬の霜に当たると葉が傷んでしまうので、秋に種まきを始めるのなら、11月の終わりまでには収穫できるよう、9月中には種まきを済ませておきましょう。(春なら、遅くても4月上旬までには種まきを済ませましょう。)ただし、屋根のある場所で発泡スチロールで栽培する場合は、少し時期が遅くなっても大丈夫です。室内なら、暖かく日当たりのよい場所に置けば真冬でも育てられますよ。
新鮮なリーフレタスがあれば、サラダやチャーハン、スープなどで味わうこともできます。また、葉物野菜は天候や台風などで生産が左右されますが、自宅にあれば安心ですよね。
バジルはハーブの王様
発泡スチロールでハーブを育てている方も多いです。その中でもバジルは初心者さんでも育てやすいハーブでオススメです。
バジルの苗は気温20度から25度くらいになったら日当たりのいい場所で、根が良く貼るように大きめの発泡スチロールで育てるようにしましょう。ただ、直射日光の強い場所だと葉焼けを起こしてしまうので、真夏は日陰で育てても大丈夫です。
バジルは肥えた土を好むので、生育期間中は個体肥料か液肥を適度に上げ続けることが必要です。7月~10月頃に収穫できます。
また、バジルは乾燥を苦手としているため、乾燥しないように水やりをしっかりしてあげることが大切です。特に夏にかけての生育期には、水を切らさないようにたっぷりと水をあげる必要があります。鉢やプランターで育てる場合は、露地植えよりも乾燥が早いので注意が必要です。
その一方で、水の与えすぎには注意が必要です。特に冬は土が湿った状態が続くと根腐れの原因にもなるので、バジルの土の表面が乾燥していたら水やりをするようにしましょう。
家庭菜園でバジルがあれば、好きな時にジェノベーゼパスタやピザに使えたりしますね。
ネギは初心者におすすめ
ネギは暑さ、寒さどちらにも強く適応性があるため育てやすいし、成長が早いので春先に苗を植えれば、夏までに3.4回は収穫できます。また、ネギの根元を3.4センチ切ったものを苗としてすぐ使用できるのが、初心者には有り難いです。
ネギは日当たりのいい場所を好むので、苗を植えるときは日の当たる場所を選びましょう。また、水やりはこまめに行い、発泡スチロールの土が乾いてきたら、たっぷりと水をやりましょう。ネギは1年中さまざまなお料理に使えるので、家庭菜園にあると、とても便利ですよね。
ベランダ栽培の注意点3つ
ポイント1:暑さと寒さ
最近は地球温暖化の影響なのでしょうか、夏の暑さは年々厳しくなってる気がします。夏のマンションのベランダは、実際かなり厳しい暑さです。とくにエアコンの室外機前は常に熱風が噴出していますので、室外機の前に発泡スチロールを置かないようにしましょう。
強力な夏の日差しがベランダのコンクリートに降り注ぎ、その照り返しがプランターの底や側面を熱してしまいます。その熱は水分を蒸発させたり、植物を弱らせたりする原因になります。対策として、花台やすのこを敷いて、地面から離して空気の通り道を確保して風通しを良くすることが大切です。
一方、秋から冬にかけての日差しは、上からではなく横から入ってくる量が多くなります。
よしずを下げておくと、直射日光を防ぐことができます。
マンションのベランダは上層階になるほど強風対策が必要です。ミニトマトなど苗が大きく育つものは、風で折れたり傷ついたりするからです。しっかり支柱で固定し、支えてあげるようにしましょう。
また、強風は発泡スチロールの転倒や落下の原因にもなるので、プランター代わりの発泡スチロールもしっかり固定することも必要です。
ポイント2:ほかの住民に迷惑をかけない
特に階下の住民とお隣さんには、迷惑をかけないようにしましょう。
と言うのも、野菜栽培には土が欠かせないのですが、水やりをすると排水穴から水だけでなく、少量の土も漏れ出てしまい、ベランダを汚すことになってしまいます。お隣さんのベランダに流れないようにしましょう。水やりの際は、水がベランダの外まで飛ばないよう気を付けることが必要です。
また、ベランダの塀にプランターをぶら下げて栽培をしている人を時折みかけます。野菜に日光を当てたいからでしょうか。しかし、野菜栽培のプランターは、土が入っていて結構重いので、万が一落下して事故にでもなったら大変なことになってしまいます。発泡スチロールでしたら、それ自体は軽いのですが土を入れるとそれなりに重くなりますので、やはり落下しないように注意が必要です。
ポイント3:手作り肥料のにおいに注意
野菜を大きく育てるには肥料が必要です。ホームセンターなどで売っている肥料でなくて、自分で肥料を作ろうという方もいらっしゃると思います。その場合、自宅から出る生ごみで肥料作りは可能です。
まず、ポリバケツなどに「落ち葉」と「土」と「生ごみ」を交互に重ねて、夏なら3か月、
冬なら半年くらい置いておけば肥料を作ることが可能です。しかし、その際に気を付けなければいけないのは、生ごみから肥料を作るので、ハエなどの虫が寄ってきたり、においが発生したりすることです。においを防止するために、生ごみの水分量を極力減らすようにしましょう。虫は、バケツのふたの上から買い物袋などのビニールをかぶせて、すき間がないようにしっかりと留めましょう。
ベランダで肥料作りをしている場合、お隣さんのベランダと密接している場合は、「におい」が迷惑となったり、トラブルとなることもあるため、手作りの肥料作成だけでなく、市販の肥料の「におい」にも注意して選ぶようにしましょう。
まとめ
プランター代わりの発泡スチロールでも、ベランダ菜園を楽しむことができます。自分で作った野菜を食べられるのは、新鮮で安全な野菜だという安心感があると思います。
私も家庭菜園をやっておりますが、天候に左右されて思い通りに収穫できないことはありますが、野菜が収穫できた時の喜びはひとしおです。
最近はベランダ菜園を楽しむ方が多くなっているようですので、ご自分で好きな野菜作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?