年が明けると多くの店では、鬼のお面や豆まき用の豆や枡など節分用の商品が並び始めます。
また、2月3日の節分当日になれば各地で催される節分の豆まきの様子をテレビなどで見ることもできますよね。
そんな節分にまく豆ですが、じつは地域によって種類に違いがあるというのはご存じですか?
今回は「節分にまく豆の種類」についてご紹介していきますのでよろしくお願いします。
節分にまく豆の種類に決まりはあるの?
小さいころに読んだ節分のことを書いた絵本では、いたずらな鬼を寄せ付けないために豆をまいて追い払っていました。
その時の絵本に書かれていた豆の種類は「炒った大豆」で、私の住んでいるところでは節分の豆まきに炒った大豆を使用しています。
お店で売られているものも、もちろん炒った大豆です。
しかし、東北地方や北海道、九州の宮崎や鹿児島では炒り豆ではなく「落花生」を使う習慣があります。
また、愛知県では豆ではなく「お菓子」を投げる習慣がありました。
最近では、豆ならなんでもよいとなってきているようで、小分けパックの豆やピスタチオ、納豆を投げるという方もいるようです。
なぜ節分に豆をまくの?
節分は、もともと立春の前日のことをさしていました。
読んで字のごとく季節の分かれ目なのですが、昔は立春が新年の始まり「元日」だったのですが、その前日である節分は「大晦日」です。
そして、大晦日に災厄をお祓いする行事を行っていたのが、節分の豆まきの由来とされています。
江戸時代頃には「魔滅=豆」とされ邪気を日本風にわかりやすく鬼にたとえ、邪気を払うのに豆が使用されるようになりました。
また、炒った大豆や落花生を使うのにも理由があります。
火は魔物が寄り付かない神聖なものとされ、邪気を払うため火入れされた豆を使っているのです。
このように、節分には豆をまいて邪気を払うというしきたりを考えると、炒った大豆や落花生などの豆以外は本来の趣旨とは少しずれてしまいます。
節分にまく豆の種類の違いでありがちなお話
節分には炒り豆が当たり前で生きてきた私ですが、就職したての頃にある事件が起きました。
私が勤めていた会社は本社が九州なので、九州方面から上京してくる方が多くいます。
そして、新入社員がイベントの設営から進行まで行うという暗黙のルールがあり、その年の節分は私たちが担当することになりました。
買い出し担当だったその男の子は、鬼のお面と枡、そして「殻付きの落花生」を買ってきたのです。
その荷物を見た私は「節分用の豆がないよ?」と聞けば「ちゃんと買ってきたよ?」と落花生を差し出され、お互い頭の中でクエスチョンマークが飛び交っていました。
その後、二人で改めて豆まき用の炒り豆を買いに行き、その年の節分は大豆と落花生が投げられ、地元を懐かしむ声が多く飛び交ったのでした。
節分にまく豆の種類に違いがある理由とは?
日本の多くの地域では、節分に炒った大豆をまきます。
しかし、2月3日といえば真冬です。
落花生をまく東北地方では場所によっては雪が2メートル以上も積もるような時期なので、小さな大豆がまかれても雪の中へ埋まってしまうと、ウォーリーを見つけるよりも難しいかもしれません。
また、大豆よりも落花生の方がカロリーが高く寒い地方では重宝されていました。
そのため、東北地方では大豆よりも大きくて見つけやすい落花生が使われるようになったのです。
「九州はあたたかいから雪で見えなくなるなんてことはないのでは?」と思ったあなた、私も「なぜ?」と思いましたが、宮崎や鹿児島は落花生の産地があったから節分に落花生をまくようになりました。
ちなみに、関東にも落花生の産地はありますが、江戸も近く流行りの文化だったために大豆を使うようになったのです。
節分の豆まきの際の掛け声にも違いがあった!?
節分の豆まきの掛け声といえば、節分の歌にもある通り「鬼は外、福は内」ではないでしょうか。
しかし、こちらも節分の豆の種類と同様に地域によって違いがあるのです。
私の知っている豆まきの掛け声は「鬼は外!」と言って外に豆をまき「福は内!」と言って室内に豆をまきますが、市川海老蔵さんや有名力士が豆をまくことで有名な成田山新勝寺では「福は内」としか言いません。
これは、成田山新勝寺が不動明王をお祀りしており、不動明王の元に鬼は来ないという意味で「福は内」のみが掛け声となっています。
また、鬼を祀っている神社などでは「鬼は内」と鬼を呼び込む掛け声もあり、地域や信仰によってさまざまな掛け声があるので、コロナが落ち着いたら実際に聞きに行ってみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
今回は、節分にまく豆の種類についてご紹介しました。
コロナという邪気が早く去ってくれるように、掛け声もアレンジしてみるのもいいかもしれません。
新しい様式の節分の豆まきや、鬼を滅するという事でブームに乗ったコラボ商品も出てくるかもしれないので、今から楽しみですね。