香り高い柚子は、日本料理に使われたり、ジャムなどに加工されたりする果物です。家に鮮やかな色をした柚子がなっていたら素敵ですね。しかし、「広い土地がないと柚子は育てられなさそう」と思っていませんか?
実は、柚子の木はベランダでも育てられます。この記事では、ベランダで柚子を育てる方法について詳しくご紹介しますので、よろしくお願いします。
柚子はベランダでも栽培できる!
柚子は広い土地に地植えして育てる印象が強いのですが、ベランダでも育ちます。柚子は広い土地に地植えをすると大きくなりますが、鉢植えにすると根の生長が制限されて小さく育ちます。そのため、ベランダなどの限られたスペースでも栽培できます。
鉢植えされた柚子の木は、地植えと比べて木が大きくならないので、管理が簡単で育てやすく、果物の栽培に慣れていない人でも安心です。
柚子ってどんな果物?
柚子は、ミカン科ミカン属の植物です。種類や育て方によって変わりますが、樹高は3~10m程度になり、5㎝程度の果実を付けます。開花の時期は1~2月頃、果実の旬は11~12月頃です。
柚子は、香りが強い果物として人気があります。香り付けとして日本料理に使われる他に、ジャムやマーマレードに加工したり、お菓子の材料として利用されたりすることもあります。ただ、とげがある種類の柚子ならとげに気を付けてくださいね。私は柚子を取るときに、よくとげが腕に刺さって赤くはれたりします。
ベランダで柚子を育てるメリットとは?
ベランダでの柚子栽培は、移動や管理を簡単にできることがメリットです。広い庭への地植えではなく、ベランダで鉢植えすることのメリットについて詳しくご紹介します。
ベランダなら移動が簡単
良質な実を収穫するためには、日当たりの良い場所で柚子を育てる必要があります。地植えの場合、一度植えた柚子は同じ場所で育て続ける必要がありますが、ベランダでの鉢植えなら天候に合わせて移動させられるため、育てやすいです。
キャスター付きの受け皿を使えば、さらに柚子の木を移動させやすくなり、簡単に良い柚子を収穫できるでしょう。
ベランダの方が簡単に管理できる
柚子は樹勢が強い植物です。地植えの場合は大きく生長するので、剪定などの作業が大変です。
一方、ベランダでの鉢植えなら、根の生長が制限されて樹勢が落ち着くため、剪定などの手間が減ります。また、木全体に栄養が行き渡るため、地植えより早く実が付いたり、良質な実がなったりすることも多いです。
ベランダで柚子を育てる方法
方法を知っていれば、果樹栽培の初心者さんでもベランダで柚子を育てられます。ベランダで柚子を育てる方法について詳しく解説します。
柚子の苗選び
柚子を種子から育てると、収穫までに10年以上かかることがあります。「桃栗三年柿八年 ゆずの大馬鹿18年」ということわざがあるくらい、種から実がなるまでにはかなりの時間を要しますし、初心者さんは途中で木を枯らしてしまうこともあるため、なるべく苗から育てるのがおすすめです。最近は柚子の栽培が盛んになってきているので、接ぎ木苗を扱っているお店も増えてきました。接ぎ木苗だと3年ほどで実がなるそうです。
早く実が付く接ぎ木苗がオススメ
柚子の苗は、大きく分けて実生苗(みしょうなえ)と接ぎ木苗(つぎきなえ)があります。種から育った実生苗は、香り高く味が濃い実を付けますが、実つきまでに何年もかかることが多いです。
そのため、柚子栽培初心者さんは、接ぎ木苗を選ぶことをおすすめします。カラタチの木などに柚子の枝を付けて育てた接ぎ木苗を使えば、収穫までの時間を短縮できます。
実生の柚子は表面がでこぼこしていて、スーパーなどで見かける柚子ですね。我が家の柚子は接ぎ木だからでしょうか、表面が比較的なめらかです。
ベランダ栽培に適した柚子の種類は?
柚子には、大木になる本柚子を中心にさまざまな種類がありますが、ベランダでの栽培には花柚子(一寸柚子)が選ばれています。花柚子は、鉢植えで育てやすいのが魅力です。
とげが少ないため、柚子の栽培に慣れていない人でも管理しやすいでしょう。また、寒さや雨、乾燥などにも強く、東北や北陸などの寒い地域でも栽培できます。
苗の植え付け
柚子の苗を手に入れたら、鉢に植え付けましょう。そのやり方をご紹介します。
柚子の植え付けに適した時期は、3~4月か6月中旬です。西日本の暖地では秋から冬にかけても柚子を植え付けられますが、冬の寒さから幼苗を守るために、敷き藁などでマルチングをしましょう。
植えるときには、柚子の苗より一回り大きな鉢に植え付けましょう。市販の果樹用培養土を入れたら、根元が隠れないように継目を土から出す程度の浅植えしましょう。継目を埋めてしまうと上手く成長してくれないからです。
柚子を植えた鉢は、ベランダのなかでも日当たりや風通しが良い場所に置きましょう。冬は、北風が当たらないところで管理するようにしましょう。
柚子の管理
良質な柚子の実を収穫するためには、日頃のお手入れが大切です。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から少し水が流れ出るまでたっぷりと水をあげましょう。
追肥
ベランダで柚子を鉢植えする場合は、3月・6月・10月に有機肥料や速効性化成肥料を追肥します。
剪定(せんてい)
柚子がスムーズに育ってくると、枝や葉が増えます。葉同士が重なっていると、下の葉が光合成できず、良質な実を収穫できないため、3月上旬~4月上旬に剪定してください。
まっすぐ上に伸びた枝や内側に向かって伸びた枝、害虫の被害に遭った枝などを中心に全体の2割程度の枝をカットしましょう。
摘果
花が咲いたら、実が付きます。7月頃になったら、良質な実を収穫するために摘果しましょう。黄柚子にする3~4果を残し、残りの青柚子を収穫するのが良いでしょう。
収穫
11月頃になったら、黄柚子の収穫を始めます。長い間黄柚子を木に残しておくと、株に負担がかかって翌年の収穫量が落ちるので、なるべく早く採るのがポイントです。
植え替え
長期間同じ土で柚子を育てていると、水はけが悪くなり、根腐れを起こします。また、根詰まりで柚子の生長が妨げられることも少なくありません。ベランダで鉢植えしている場合は、2年に1回程度3月下旬から4月中旬に柚子の木を植え替えしてください。
ベランダで柚子を育てる時の注意点
ベランダで柚子を育てる時は、次の3つのポイントに注意しましょう。
ポイント1:極端な暑さ・寒さ
柚子は気温差に強いですが、極端な暑さや寒さには気を付けましょう。あまりに暑い日や寒い日は室内に移動させるのがおすすめです。
ポイント2:乾燥
乾燥にも注意が必要です。特に花芽が付く時期に水切れを起こすと、実がならないことがあるため、土が乾いたら水やりをしてください。
ポイント3:害虫
柚子の木はほとんど病気にかかりませんが、カイガラムシやアブラムシ、エカキムシなどの害虫の被害を受けます。幼苗の時期にエカキムシの被害を受けると、上手く育たないことがあるため、こまめに葉などの様子をチェックし、虫を見つけたら薬剤などで対処しましょう。
柚子の実がならない時の対処法
ベランダ栽培している柚子に実が付かない場合は、枝を横に誘引してみましょう。柚子の枝は上に向かって伸びますが、そのままにしておくと花が付きにくいです。麻ひもを鉢の淵に巻き、枝に結んで枝を横に誘引すると、実が付きやすくなるでしょう。
まとめ
豊かな香りが魅力の柚子は、ベランダでも育てられます。比較的栽培の難易度が低いため、果物を始めて育てる人でもチャレンジしやすいんですよ。柚子味噌にしたり、果汁は酢の物や鍋料理、お刺身に使ったりする方がいらっしゃいます。また、種を使って化粧水を作る方もいらっしゃるんですよ。
私の家にも柚子の木があるのですが、ベランダでも育てられるのはちょっとびっくりしました。お庭がないから柚子は無理かもと思っていても、ベランダでも十分育てられるのは嬉しいですね。
料理に使ったりお風呂に入れたりして、柚子の味や香りを楽しむことができます。柚子って思っていた以上に利用できるのは有り難いです。
ただ、柚子は沢山実がなる年とあまり実がならない年が交互になったりします。
我が家の柚子は昨年たくさん実がなったので、今年は今のところほとんど実がなっていないのがちょっと気になります。