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日本人はなぜ桜で花見をするの?その理由や歴史をご紹介します!

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春になると桜の名所に人々が集まり、花見を楽しみます。しかし、春に美しく咲く花は桜だけではありません。梅など他の花の観賞を楽しむ人も多いです。

 

では、なぜ花見と言えば桜を連想するのでしょうか。今回は、日本において花見の花が桜である理由について詳しく解説します。理由を知って、花見を楽しんでくださいね。

なぜ桜で花見をするの?

桜以外にも菊や梅など、きれいに咲く花はたくさんあります。しかし、梅の観賞は「梅見」、菊の観賞は「菊見」と呼ばれており、花見と言えば桜を連想する人が多いです。では、どうして桜で花見をするのでしょうか。

 

桜の元で神様を迎えたことがきっかけ!

桜はもともと、神様の拠り所と考えられていました。桜という名前は田の神様を意味する「サ」と、神様が座る場所を表す「クラ」に由来しており、桜の木には田の神様が鎮座すると言われていました。

 

そして、1000年~2000年前の日本では農民は田に神様がいると信じていました。田の神様は冬になると山に行き、春になると村に帰ってくるとされていたようです。

 

このころの農民にとって、春に桜が咲くことは田の神様が村に帰ってきた合図。桜が花を咲かせると、木のもとに人々が集まり、料理や酒を用意して神様をおもてなししました。

 

桜のもとで神様をおもてなししたことが関係し、現在でも日本で花見と言うと桜の観賞をイメージする人が多いと言われています。

 

桜の咲き方にも理由が隠されていた?

人々が桜で花見を楽しむ理由には、桜の咲き方にも関係します。

 

桜は、下に向かって花びらを広げます。そのため、木の下から見上げると、花がきれいに咲いている様子を楽しめます。このことから、桜の木の下で食事をしたり、お酒を飲んだりする人が増えたという説もあります。

 

なお、桜が下に向かって花を咲かせるのは、雨で内側に水が溜まったり、花粉が流れ落ちたりするのを防ぐためと言われています。

 

いつから現在のような花見を楽しむようになったの?

花見は、桜のもとで神様を迎え入れていたことが起源。しかし、そのころの花見は豊作を祈願するためのもので、人々の楽しみを目的に行われていたのではありません。

 

桜の咲き具合で、その年の収穫量を占ったり、桜の木のもとで厄除けをしたりしていたそうです。では、現在のような花見を楽しむようになったのはいつからなのでしょうか。ここからは、花見の歴史についてご紹介します。

奈良時代は梅で花見をした?

現在の日本の花見は、奈良時代に行われた貴族の行事に由来すると言われています。奈良時代には遣唐使を通した中国との交流が盛んだったため、貴族の間では大陸から伝来した梅を観賞することがステータスだったようです。

 

桜で花見をするようになったのは平安時代

人々が現在のように桜で花見をするようになったのは平安時代。嵯峨天皇が地主神社に植えられていた桜の美しさに心を惹かれたことがきっかけです。

 

桜に魅了された嵯峨天皇は、毎年神社から桜を献上させて花見を楽しむようになりました。これによって貴族の間で桜の花見が急速に広まり、上流階級に花見の文化が定着したそうです。

 

この時期には、京都の東山などには桜の木が植えられて、桜の名所もたくさん誕生しました。また、貴族の屋敷にも桜の木が植えられ、人々は日頃から桜の観賞を楽しんだとされています。

 

なお、梅で花見をするきっかけになった遣唐使が廃止されたのも平安時代。遣唐使の廃止により、中国から伝わった梅よりも日本古来の桜を好む人が増えたとも考えられています。

 

また、平安時代に桜での花見が広がったことは、古今和歌集をはじめとする書物からもわかります。奈良時代に完成した「万葉集」には梅について詠んだ歌が約110首、桜に関する歌が約40首収められています。しかし、平安時代に作成された「古今和歌集」では梅が約20首に激減し、桜が約70首まで増えています。

 

その後、鎌倉時代や室町時代になると桜で花見を楽しむ文化が武士にも広がりました。

 

庶民に花見が広がったのは江戸時代

身分に関係なく庶民も花見をするようになったのは、戦が落ち着いて様々な文化が生まれた江戸時代。8代将軍の徳川吉宗は、今でも花見スポットとして人気の浅草や飛鳥山に桜を植え、花見を推奨して人々の心を掴んだようです。

江戸時代の人々は、桜が咲くと木の下で弁当を食べたり、話したりしながら春の訪れを喜びました。串に桜を表すピンク、雪を表す白、ヨモギを表す緑の団子を挿した「花見団子」が登場したのもこの時代です。

 

明治時代にはソメイヨシノが広がった

現在最も有名な桜の品種がソメイヨシノです。ソメイヨシノの開花は、メディアでも大きく取り上げられています。

 

ソメイヨシノが生まれたのは江戸時代末期。もともと主流だったエドヒガンに成長が早く、大きな花を咲かせるオオシマザクラを合わせて、ソメイヨシノが生み出されました。ソメイヨシノは花付きの良さで人気が高まり、一気に日本各地に広がりました。

 

今でも、ソメイヨシノの美しさは多くの人の心を掴んでおり、春が訪れるとたくさんの人がソメイヨシノを囲んで花見を楽しみます。

 

まとめ

人々が桜で花見をするのは、桜の木で神様を迎えていたことや桜の花の咲き方と関係すると言われています。古くから日本では、貴族や武士の間で花見が楽しまれており、江戸時代になると庶民にも花見の習慣が広がりました。

 

桜が咲いたら、歴史に思いをはせながら大切な人と花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。